タンコ・ホールディングス

タンコ・ホールディングス[Tanco Holdings Berhad]は, マレーシアを拠点とする多角的事業を展開する企業グループである.同社は1958年12月8日にジェラム・クアンタン[マラヤ]リミテッド[Jeram Kuantan [Malaya] Ltd]として設立され, 1961年にマレーシア証券取引所[ブルサ・マレーシア]のメイン市場に上場した.1997年6月に現在の社名であるタンコ・ホールディングス・ベラッドに商号変更している.創業者はマレーシアの実業家, タン・ジンナム[Tan Jing Nam]氏であり, 同氏の指導の下で設立当初からプランテーション事業を中心に事業を拡大してきた.

設立当初はゴムとアブラヤシのプランテーション事業を中核としていたが, 1970年代から1980年代にかけて不動産開発や建設業へ進出し, マレーシアの急速な経済成長とともに事業規模を拡大した.不動産開発事業への本格参入は1995年からであり, 商業施設や住宅開発, リゾート開発など多様なプロジェクトを手掛けるようになった.

1998年2月には, グループ内のリゾート事業を担うタンコ・リゾーツ・ベラッド[Tanco Resorts Berhad]の株式をグループ全体で再編し, 運営体制を統一した.この再編により, バケーション・オーナーシップ事業および観光・レジャー・エンターテインメント関連事業の管理体制が整えられ, リゾート運営・クラブ運営事業を重要な収益源として確立した.

2000年代以降, 同社はさらなる事業多角化を進め, 不動産開発, 不動産金融, 建設・建材, 港湾事業, 工業団地開発, 製薬業など幅広い分野に事業を展開してきた.特に不動産開発においては, ポート・ディクソン地区に480エーカーの海岸沿い土地を保有する大規模な土地銀行を確保し, 戦略的な開発を進めている.

現在の事業セグメントは, 不動産開発・管理事業, リゾート・クラブ運営・管理事業, 建設事業, 投資持株事業の4つに大別される.不動産開発・管理事業が最大の収益源であり, スプラッシュパーク, クアンタン・ホテル・スイーツ, スパ・ビレッジ, インターナショナル・ホテルなどの主要プロジェクトを展開している.

タン・ジンナム氏は設立後, 1995年に取締役に就任し, 同年10月からグループ・マネージング・ディレクター[最高経営責任者]を務めた.その後2015年に非独立・非執行取締役に再任され, アドバイザーに任命された.氏の死去後, 主要株式は息子であるアンドリュー・タン・ジュン・スアン[Andrew Tan Jun Suan]氏に引き継がれ, アンドリュー氏が現在のグループ・マネージング・ディレクターを務めている.

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