オディネ・ソリューションズ

概要

オディネ・ソリューションズ(Odine Solutions Teknoloji Ticaret ve Sanayi A.Ş.)は、トルコのイスタンブールに本社を置く通信技術企業。通信事業者向けのネットワーク仮想化やクラウド基盤構築、システムインテグレーション、サイバーセキュリティ関連サービスを主軸とし、新興市場を含む世界20以上の国と地域で通信会社を顧客に持つ。2024年3月にイスタンブール証券取引所(ボルサ・イスタンブール)の主力市場であるBISTスターズ市場に上場。時価総額は約2,200億トルコリラ、米ドル換算で約47億ドル(2026年)。

前身企業の設立

法人としての起源は1999年12月30日にイスタンブールで設立されたベルスコム・ビルギサヤル・テクノロジー貿易産業(Verscom Bilgisayar Teknoloji Ticaret ve Sanayi A.Ş.)に遡る。設立当初はコンピューターおよびソフトウェア製品の開発、販売、流通と、これに付随するコンサルティングおよび技術支援を主な事業領域としていた。トルコの情報技術産業が携帯電話の普及や通信自由化を背景に急成長していた時期であり、同社もこうした市場環境のもとで事業基盤を築いていった。

通信ネットワーク事業への特化

2000年代に入ると、同社は通信事業者向けのネットワーク技術やエンジニアリングサービスに事業の軸足を移していく。国内外の通信キャリアに対してネットワークソフトウェアソリューションおよび通信エンジニアリングサービスを提供する体制を整え、後にTier1通信事業者のコアネットワークおよびエッジネットワークの仮想化を専門領域とするシステムインテグレーターへと発展していく礎がこの時期に築かれた。長年にわたり同社の経営を率いることになるアルペル・トゥンガ・ブラク氏は、トルコセルの子会社であるスーパーオンラインで製品・事業開発部門の責任者を務めた後、2006年に同社に加わり、その後取締役会議長兼最高経営責任者に就任している。

社名変更とプラットフォーム開発

2015年頃からは、通信事業者向けの音声クラウド管理プラットフォームであるオディネ・ネビュラ(Odine Nebula)や、ルーティングおよび業務管理を担うオディネ・オリオン(Odine Orion)といった自社プラットフォームの開発に本格的に着手した。これらの製品群は後にハイブリッド音声基盤であるオディネ・ネビュラプラス、不正利用対策のオディネ・ゲートキーパー、中央集権型ルーティングサーバーのオディネ・パスファインダーへと拡張され、卸売音声事業者や移動体通信事業者向けのプラットフォーム・アズ・ア・サービス事業の柱となっていく。こうした事業実態の変化を反映する形で、同社は2018年3月に商号をベルスコムからオディネ・ソリューションズ・テクノロジー貿易産業株式会社へと変更し、現在に至る社名を採用した。

国際展開

同社は早くから海外市場への展開を進めており、2011年にはドバイに拠点を開設し、中東および周辺地域における事業基盤を強化した。2019年にはチェコに現地法人を設立し、欧州市場での足場を築いている。これらに加えてロンドン、プラハ、米国、パキスタンのラホールにも拠点を持ち、南北アメリカ、欧州、アジアを結ぶ位置付けのもとで、アフリカを含む新興市場の通信事業者やホールセール音声・データ事業者にもサービスを提供する体制を整えてきた。

株式上場とその後の展開

同社は2024年3月13日から15日にかけて1株30トルコリラでの公募を実施し、同月21日にボルサ・イスタンブールのBISTスターズ市場に上場した。公募規模は約13億2600万トルコリラで、募集に対しては個人投資家を中心に規模の6倍に相当する応募が集まり、300万人を超える投資家が参加したとされる。上場後、同社株式は情報通信・人工知能関連銘柄への関心の高まりも背景に大きく値を上げ、時価総額は上場時から大幅に拡大。この間の株価上昇は同社の業績拡大を上回るペースで進んだ局面もあり、株式市場における評価の変動が大きい銘柄としての性格も併せ持つ。

第1版:2026-09-01.



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