
イナリ・アマートン[Inari Amertron Bhd,マレーシア].
MYX:INARI
時価総額[2025]:約22.6億米ドル.
イナリ・アマートンは, 半導体パッケージングおよび電子機器受託製造を中心とする企業として成立した.起源は2006年に設立された Inari Technology Sdn Bhd にあり, ペナンにおける比較的小規模な生産ラインから事業を開始した.
当初から OSAT[Outsourced Semiconductor Assembly and Test]分野に特化し, 無線通信用モジュールや半導体チップの組立・検査を中心とした受託サービスを提供し, 顧客基盤を拡大していった.ワイヤーボンディングを中心とする組立工程, モールディング, 電気的試験などを一貫して提供することにより, 通信機器関連企業との関係を深め, RF[無線周波数]関連パッケージングの専門企業としての地位を固めた.
企業としての成長を加速させるため, 同社は2011年に Bursa Malaysia[マレーシア証券取引所]の ACE Market[ACE市場, 新興企業向け市場]へ上場した.上場を通じて得た資金は生産ラインの拡張や設備投資に投入され, 量産能力と技術対応力の向上が進んだ.その後, 業績の伸長と事業規模の拡大に伴い, 2014年には Bursa Malaysia の Main Market[メイン市場]へ市場区分を変更し, より大規模な上場企業としての位置付けを確立.
事業構造に大きな転換をもたらしたのが, 2012年から2013年にかけて行われた 美昌科技[Amertron Inc.〔Global〕Ltd.,香港]の買収である.Amertron は香港に登記された企業であり, オプトエレクトロニクス, 光ファイバー関連製品, EMS[電子機器受託製造]を中心に事業を展開していた.買収によって Inari はそれまでの半導体パッケージング中心の事業構造から, 光通信部品や特殊用途電子機器の製造へと領域を広げた.これに合わせて社名を Inari Amertron Berhad へ変更し, マレーシア, アメリカ, 中国, フィリピンといった複数地域に生産拠点を有する多国籍的な製造企業へと成長していくこととなる.
また, 光学・光通信分野での事業拡大や欧米市場へのアクセス強化を目的とする大型案件への関与が見られ, EMS と半導体パッケージングの双方を統合する製造企業としての立場をより強固にしようとする戦略が取られている.特に, 先進パッケージング技術[フリップチップ, ウェハーレベルパッケージング等]への投資や, AIおよびクラウドインフラ向け高性能光モジュールの製造能力強化が進められている.2021年には中国市場での事業拡大を目指し, SMIC関連のベンチャーキャピタルである China Fortune-Tech Capital との合弁事業に関する覚書を締結し, 昆山工場を活用した中国国内向け OSAT 事業の強化を図っている.
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