W.R.バークレー

W.R.バークレー[W.R. Berkley Corp.,米].
NYSE:WRB
時価総額[2025]:約296億米ドル.


W.R. バークレーは1967年にウィリアム・R・バークレー[William R. Berkley]により設立された.設立当初はわずか2,500ドルの資本で開始した小規模な投資管理会社であったが, 事業転換を経て, 商業損害保険[プロパティ&カジュアルティ保険]の持株会社へと発展を遂げた.

1973年11月, 同社は株式公開[IPO]を実施し, 米国市場に上場.これにより資本基盤を確保し, 以後の保険業務拡大, 企業買収, 新規子会社設立による多角化の道を歩むこととなった.

1970年代には再保険市場への参入を果たし, 1975年には定期的な現金配当を開始.1979年には専門保険会社の買収を通じて, スペシャリティ保険市場へと進出した.1980年代から1990年代にかけては, 火災保険会社の取得や既存保険引受事業の拡張により, 商業保険のラインアップを拡充していった.

1990年代中盤には, 追加の企業買収を通じてリスク管理サービスや保険市場でのシェアを高めた.1994年にはKey Risk Management Servicesを買収し, 1995年にはSignet Starの残存持分を取得.さらに1996年にはMECCを約1億3,800万ドルで買収するなど, 規模拡大を積極的に進めた.

2000年代に入ると, 従来の保険・再保険に加えて, 航空保険, 健康保険, 医療過誤保険, グローバル再保険, 国際事業[ヨーロッパ, アジア, オーストラリアなど]にも進出.2001年には普通株をニューヨーク証券取引所[NYSE]へ上場し, グローバル展開を本格化させた.

近年では, 企業買収や新規子会社設立による事業拡大が顕著である.たとえば, 2025年にはBerkley Embedded Solutionsの設立が発表され, 従来の保険ビジネスモデルに加えて, テクノロジーやサービス提供型の保険ソリューションへの対応を強化している.

W.R. バークレーの事業は主に二つのセグメントで構成される.第一に「Insurance[保険]」セグメントでは, 商業損害保険および賠償責任保険を提供している.これには企業向け財産保険, 賠償責任保険, 特殊リスク保険[スペシャリティ保険]などが含まれる.第二に「Reinsurance & Monoline Excess[再保険およびモノライン・エクセス]」セグメントでは, 再保険および超過損害保険[エクセス保険]を引き受けている.

加えて, 同社は業界・地域・ニッチ市場ごとに特化した50を超える保険事業体[子会社または関連会社]を世界中に展開しており, 北米, 南米, ヨーロッパ, アジア, オーストラリアなどで業務を行っている.特に, エネルギー[海洋油田など], 海上輸送, 建設, 医療, テクノロジー企業, 商業施設など多岐にわたる業種に対し, 専門性の高い保険サービスを提供する「ニッチ保険市場での専門引受主体」としての地位を確立している.

同社は分散型組織構造を採用しており, 各子会社や事業部門は地域・産業・商品ごとにほぼ独立した経営を行う.これにより市場環境の変化に迅速に対応できる柔軟性を持ち, かつ各部門における専門性と責任が明確であるという経営スタイルを維持している.

W.R. バークレーは, 単に損害保険を引き受けるだけでなく, 再保険引受, 専門リスク管理, 企業向けサービス, 国際展開, そして近年ではテクノロジーや業界特化型の保険サービスを含む多様なソリューションを提供する総合保険グループである.現在では世界中に拠点・子会社を持ち, 国際市場で事業を展開するグローバルな商業損害保険大手へと成長している.



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