濡髪祠と千姫の墓

徳川家の菩提寺として知られる洛東の知恩院の境内の奥まった場所にある。奥まった場所にあるのは、この濡髪祠が知恩院の守護神であることから。祀られているのは荼吉尼天。荼吉尼天はインドの神であるカーリーの侍女であり、現世における富と権力をもたらしてくれるとされる。但し、荼吉尼天は富と権力を与える見返りに死後の肝を要求することから外法と呼ばれてきた。徳川家康が早くから豊川稲荷こと豊川ダ枳尼真天を信仰し、東京に多くある稲荷は荼吉尼天だとされ、「江戸の稲荷に京の地蔵、鎌倉の御霊」とまで言われる。そして、京都の中でも徳川家ゆかりの地には荼吉尼天の姿を見ることが出来る。知恩院の濡髪祠の前には千姫の墓があるというのも象徴的だと思ってしまうのは考えすぎだろうか。


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