粉河寺(西国三番_紀州)

駅を降りて真っ直ぐに続く道を行く。
そのまま正面に門が見えるなら不安はない。しかし、粉河寺への道は少し右に弧を描いている。
そうは言っても、華やかではないにせよ、幾つかの店が両脇にあるので楽しみながら歩く。
橋を渡ると大きな赤い門が目の前に姿を現す。
これが宝永年間(18世紀)の建立とされる粉河寺大門。桁行12.48メートル、梁間7.48メートル、平面積93.38メートルという規模を誇るだけではない。
上層の斗供に雲肘木と尾を使って軒を支えるという珍しい構造でも知られる。
兎に角も目立つ。
延宝7(1679)年建立の童男堂。
建築は徳屋甚左衛門の手によるという江戸時代廟建築を模した建造物。桁行三間、梁間三間正方形の正堂と桁行五間、梁間三間の礼堂が対になって建つ。
千手千眼観世音菩薩の化身とされる童男大士を祀る。
童男大士は隣にある出現池から柳の枝を持って現れたとされていて、人々は大士に現世利益を願い、成就すると出現池に鯉を放つという。
紀州10代藩主徳川治宝侯直筆の「風猛山」の扁額が掲げられた天保3(1832)年建立の中門。
外陣、内陣の間口33.03メートル、奥行12.12メートルを誇り、西国札所の中で最大と言われる本堂。
この本堂は奈良時代の宝亀元(770)年建立のものを、享保5(1720)年に再建したもの。
江戸時代中期建築の様式を良く伝えているとされる。
本尊は千手千眼観世音菩薩。侍者として両脇を28部衆が固める他、背後に裏観音、東に鬼子母神、西に不動明王、大日如来閻魔大王などが祀られている。

2005.3.19(土)訪問

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