大椿山六道珍皇寺


小野篁が冥界へと赴く際の入り口があったとされる寺。ちなみに出口は嵯峨野の清涼院。空海の師慶俊僧都による創建という言い伝えもあるが、現在の寺院は建仁寺の僧・良聡が貞治3(1364)年に再興したもの。その際に臨済宗に改宗しており、近くにある建仁寺に属している。
門前が六道の辻と呼ばれる場所であり、平安朝の葬送の地である鳥辺野の地名に残しているところでもある。六道というのは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六種の冥界のことであり、現世の人々が必ずどこかに行くのだと考えられるところ。かつては、この辻に死者を運び野辺送りをしたのだという。
ということで、六道という名称は納得がいく。気になるのは珍皇寺という名。
何でも、平安遷都以前に東山阿弥陀ケ峰山麓を勢力圏としていた鳥部氏の氏寺の宝皇寺が珍皇寺の前身だとのこと。宝皇が珍皇に転化したのだろうか。

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