四万部寺

秩父札所1番。曹洞宗、誦経山四万部寺。 34番から振り出しの1番へ。途中で饅頭を喰らう。秩父の市内に入って道をグルグルと回って1番に辿り着く。

 ここは、行基よって観音像を安置したのが始まりとされ、後に秩父霊場を開いた性空上人(播磨国書写山円教寺)の遺命で堂宇を建立したのだという(中興開山は幻通上人)。その頃は四万部山にあったが山を下った。下ってからは、秩父24番札所とされてきたが、江戸からの参拝の便宜を考えて飯能経由での入り口に当たるために1番に改められる。そのためだろうか、四万部寺の前には旅籠がある。こうした旅籠をはっきりと目にしたのはこの1番だけだ。その他にも、例えば13番の近辺などにも旅館があるが寺の前ではなく、少し離れたところにあった。江戸から飯能を経てはるばるやってきた庶民が、さぁ明日から巡礼を始めようと、ここで旅装を解く。そういうことが見られたのだろう。

 なお、この寺は、端山守的(大宮郷広見寺)による妙音寺(曹洞宗)開山に伴って、妙音寺が性空上人の観音堂の別当となり、一体化して四万部寺となったという。

秩父市大字栃谷418


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