那古観音

行基(668-749)開基と伝わる古寺。
坂東33番の札所でもあり安房五大寺の一つ。正式には補陀落山普門坊千手院那古寺。京都智積院を総本山とする真言宗智山派の寺院。
観音堂と多宝塔などの堂宇は山上にあったものが元禄年間(1688-1704)の地震で倒壊したために現在の山腹の地に移築されたのだという。観音堂の移築は宝暦8(1758)年、多宝塔は宝暦11(1761)年。
多宝塔は千葉県域にはこの那古寺の他に丸山石堂寺にしか存在していないというから、館山に寄るならすぐ隣の那古船形まで足を延ばして一目見てみる価値はある。
多宝塔は方三間、銅板葺、切目縁和様高欄付で下層三手先、上層四手先、竜鼻の尾重木という江戸中期特有の形状を示している。
近くに歴史ある多宝塔を見、遠くに船形の海を望む。一部は平成の大改修中のために目にすることは出来なかったが、それでも穴場を見つけたような感覚を堪能。

2005.2.20(日)訪問

This page is powered by Blogger. Isn't yours?