『謝肉祭と四旬節の喧嘩』

ブリューゲル(1525-1569)に冠せられる農民画家という称号はこのような絵に由来する。活気のある、ありすぎるほどの漲(みなぎる)る勢い。日ごろのケの日のつらい事、抑圧、思うに任せない生活の鬱憤をハレの日に晴らす。文字通りに晴らす。そこに明るさを遮る現実感や冷めた計算は微塵もない。そういった日ごろは真剣に深刻に考えなければならない優先事項を、祭りの日には追いやって、踊って踊って踊りまくる。現代のベッドタウンにいつしか無くなってしまった祭りは鬱憤の晴らしどころを求めて暴れる竜となってのたうち回っているのかもしれない。

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