近江町市場
近江町市場[おうみちょういちば]は,石川県金沢市の繁華街・武蔵ヶ辻に位置する伝統的な市場である.金沢の台所とも称され,市民の日常生活を支える食料品の供給拠点として,長年にわたり重要な役割を果たしてきた.武蔵ヶ辻は,金沢駅から徒歩圏内にあり,古くからショッピングエリアや交通の要所として賑わっている.
近江町市場の起源は江戸時代初期に遡る.1611[慶長16]年,加賀藩の二代藩主である前田利長の時代に,横山町付近で青物市が開設されたことが始まりとされる.当初は現在の市場よりもやや狭い範囲で小規模な青物市場であったが,次第に発展し,地域の産物を扱う中心地として拡大した.
近江町市場の名称は,「近江町」という地名に由来する.この地名は,かつて近江[現在の滋賀県]から移住した商人や職人が居住したことに起因するとされる.このため,地元産品だけでなく,近江を含む他地域の物産も扱われるようになった.
明治以降,金沢の都市化に伴い市場は整備され,大正から昭和初期にかけて現在のような屋根付き市場の構造が形成された.戦後は食文化の多様化と観光客の増加により,鮮魚,野菜,果物,乾物,惣菜など多様な商品を扱う市場へと成長し,観光名所としても知られるようになった.特に,日本海の新鮮な海産物や,加賀野菜と呼ばれる地元特産の野菜類が市場の特色となっている.
武蔵ヶ辻の繁華街として発展してきた背景もあり,近江町市場はこのエリアの中心商業施設となっている.
2007年には市場の一部で火災が発生し,施設の老朽化も進んでいたため,2009年に「近江町いちば館」が完成し,新たな近代的施設として開業した.
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@2025-05
@2011-08
☆2025年の訪問時には牡蠣を堪能.
@2025-05
建て替え前の近江町市場@2006-11
今日も街角をぶらりと散策.
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