魚の棚商店街
魚の棚商店街[うおのたなしょうてんがい]は,兵庫県明石市本町一丁目に位置する歴史ある商店街であり,明石駅から南へ徒歩約3分の距離に広がる全長約350メートルのアーケード街である.うおんたなとも呼ばれ,地元住民のみならず観光客からも広く親しまれている.
この商店街の最大の特色は,瀬戸内海の新鮮な海産物が豊富に並ぶ市場的性格にある.約100軒から110軒の店舗が軒を連ね,明石港に水揚げされる明石鯛,明石蛸,穴子などの特産品を扱う魚屋や乾物屋が多数存在する.その鮮度と質の高さは全国的にも高い評価を得ている.魚介類のみならず,練り物,寿司,惣菜,和菓子,漬物,明石焼きの専門店など地元の食文化を支える店も多数存在する.
この商店街は昼網[ひるあみ]システムでも知られる.通常,水揚げされた魚は翌朝に店先に並ぶが,明石では午前中に獲れた魚を「昼の市」ですぐにセリにかけ,海からあがってすぐの状態で魚が店先に並ぶ.この昼網システムにより,他では味わえない抜群の鮮度を誇る魚介類が提供される.
魚の棚という名称の由来は,江戸時代まで遡る.約400年前に明石城築城とともに,宮本武蔵の町割りによって作られたと伝えられている.明石藩の城下町形成に伴い,魚を扱う商人が集まり,この地域に魚を並べて販売する「棚」が形成されたことに端を発する.すでに400年以上の歴史を有し,明石の食と商いの中心地として発展してきた.
兵庫県明石市本町@2011-12
今日も街角をぶらりと散策.
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