ぶらぶら絵葉書

古川町商店街

この狭さが堪らない.いつまでも続いてほしいアーケードのある商店街.

古川町商店街は, 京都市東山区古川町に位置する歴史ある商店街であり, 祇園や清水寺にほど近い地域の生活文化と商業活動の中心として発展してきた商店街である.

商店街は, 三条通から白川筋までの南北約220メートルの通りに, 統一された看板を付けた約40軒の店舗が軒を連ねる.鮮魚, 生肉, 野菜, 果物, 乾物, 雑貨店などが並び, 典型的な京町家風の建物が多く, 軒先や外観には昭和期の雰囲気が色濃く残されている.現在も地域密着型の商店街として, 観光客に「京の暮らし」の雰囲気を伝える貴重な空間である.

古川町商店街は, 1950年頃に古川町朝日会として発足し, 1964年に商店街振興組合として法人化された比較的新しい組織である.しかし, 古川町通自体は『京都坊目誌』によれば寛文6[1666]年に整備された歴史ある街路であり, 戦後の都市化や大型商業施設の進出にもかかわらず, 地域の伝統を受け継ぐ商店が健在である.

商店街の特徴として, 地域住民と商店主が互いに顔見知りである密接なコミュニティが挙げられ, 「買い物なのか, おしゃべりなのか分からない」という日常風景が見られる.創業200年を超える老舗から自家焙煎カフェまで, 新旧の個性的な店舗が共存し, 観光と地域生活の両立が実現されている.

古川町商店街は, 地下鉄東西線東山駅から徒歩圏内であり, 祇園白川への観光拠点としての利便性も高い.狭隘な路地や京町家の連続性を活かした街並み景観の保存にも寄与しており, 近年の都市再開発の中でも歴史的風致の維持が行われている.このように, 古川町商店街は単なる商業空間ではなく, 350年以上の歴史を持つ地域文化と都市景観を体現する歴史的生活空間として価値を有している.

京都府京都市東山区古川町@2020-01


今日も街角をぶらりと散策.
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