

神田駅
神田駅は, 東京都千代田区に所在する鉄道駅であり, 東日本旅客鉄道[JR東日本]と東京地下鉄[東京メトロ]の駅が設けられている.JR東日本の駅は千代田区鍛冶町二丁目に, 東京メトロの駅は神田須田町一丁目に所在する.JR線と東京メトロ銀座線が交差する乗換駅であり, 東京駅, 日本橋, 秋葉原といった都心中枢部を結ぶ交通の要衝である.所在地は千代田区と中央区の境界に近く, 古くから商業・業務機能が集積した地域の中核をなしている.
神田駅の開業は20世紀初頭にさかのぼる.1919[大正8]年3月1日, 中央本線が万世橋駅*から東京駅まで延伸される際に新設されたのが現在の神田駅である.これがJR神田駅の起源であり, 当初は中央本線の駅として開業した.その後, 1925[大正14]年11月1日, 東北本線[現・東北線, 山手線・京浜東北線系統]が秋葉原駅から東京駅へ延伸され, 神田駅を経由するようになったことで, 山手線・京浜線[現・京浜東北線]との接続駅となった.続いて1931[昭和6]年11月21日には東京地下鉄道[現・東京メトロ銀座線]の神田駅が開業し, 地下鉄との乗換が可能となった.これにより神田は, 地上鉄道と地下鉄が交差する日本初期の複合型都市駅の一つとなった.
駅名の「神田」は, 江戸時代より商業地として栄えた地域の名称であり, 古くから江戸市街の中心的地名として知られる.神田明神の門前町として発展し, 江戸城の北東に位置する商業・文化の中核を担った.明治以降も東京有数の商業地区として繁栄し, 鉄道駅の設置はこの地域の近代都市化をさらに促進する契機となった.
現在, JR神田駅には山手線, 京浜東北線, 中央線快速の3路線が乗り入れている.駅構造は高架駅であり, 中央線のホームは島式1面2線, 山手線・京浜東北線は相対式2面4線の計3面6線を有する.北側から順に, 1番線[京浜東北線北行], 2番線[山手線外回り], 3・4番線[中央線快速上下線], 5番線[山手線内回り], 6番線[京浜東北線南行]が配置されている.改札口は北改札と南改札の2か所に分かれ, それぞれの改札から複数の出口があり, 周辺街区に直結している.
東京メトロ銀座線の神田駅は地下駅であり, JR神田駅南口の直下付近に位置する.島式ホーム1面2線を備え, 比較的浅い構造をもつ.改札口はホームの前後にあり, 浅草寄りに須田町方面改札, 渋谷寄りに内神田方面改札が設けられている.地下鉄神田駅とJR神田駅の間には連絡通路が設けられており, 改札外乗換が可能である.銀座線は渋谷方面および浅草方面への運転を行い, 東京中心部を東西に横断する基幹路線としてビジネス利用が多い.
神田駅は地理的にも東京駅と秋葉原駅の間に位置し, 両駅間距離は東京駅から約1.3キロメートル, 秋葉原駅から約0.7キロメートルと短い.都心鉄道網における結節点の密度が高く, 徒歩圏で主要駅を連絡する位置にあるため, 通勤・出張などでの利用頻度が高い.
駅周辺は多様な都市機能が混在する地域である.神田駅北口付近には飲食店が軒を連ね, 特に神田須田町や神田小川町方面は, 戦前からの商店街の風情を色濃く残す.また, 西口には神田駅西口商店街があり, 昭和の雰囲気を伝える商店や居酒屋が多く, いわゆるサラリーマンの街としての側面が強い.さらに南東方向には日本橋兜町や丸の内などの金融・業務街が広がり, オフィス街としての機能も顕著である.銀座線の浅草寄り出口は中央通りと靖国通りが交わる須田町交差点に面し, 秋葉原電気街の南端にも近い.
神田駅は関東大震災[1923年]および東京大空襲[1945年]によって甚大な被害を受けたが, 復興後は高度経済成長期における都心業務地区の発展とともに, 鉄道結節点としての重要性を高めていった.近年では耐震補強および再開発が進められ, 周辺には再整備されたオフィスビルや商業施設が増加している.
このように神田駅は, 鉄道史的にも都市史的にも重要な位置を占める駅である.山手線・中央線・京浜東北線・銀座線という主要幹線が交差する交通の要衝であり, 江戸・東京の商業中心地としての伝統と近代都市交通の結節機能を兼ね備えた, 東京を代表する中核駅の一つである.
東京都千代田区鍛冶町@2024-12.

@2023-03.

今日も街角をぶらりと散策.
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