[[建築史1]]
**本殿のない神社
現代の神社には御神体を祀る本殿があり、その前方に参詣者のための拝殿がある。

神社は神が一時的に降臨する依代とそれを拝む場所を原型とする。

依代は古代では自然物そのものだった。

その名残が大神神社と諏訪大社上社本宮にあり、両社とも本殿を持たない。代わりに拝殿の背後に独特の形式の鳥居が立ち、その後ろに依代である御神体が聳えている。

-大神神社(大和)
-諏訪大社(諏訪)
-金鑚(かなさな)神社(武蔵)
**仏教建築伝来以前の建築様式を持つ本殿
神社本殿は高床式建造物を起源とする。寺院建築に影響を受けたことは確かだが、仏教伝来以前に様式は確立していたと考えられる。

現存している神社本殿は意外に新しい。大社造の出雲大社本殿は1744年、住吉造の住吉大社本殿は1810年、流造の上賀茂神社本殿は1863年。

宇佐神宮本殿も1861年、春日大社本殿も1863年と明治維新の直前の建造。

宇治上神社本殿のみが平安時代まで遡ることが出来る。

-伊勢神宮→唯一神明造(反りなし切妻型平入)
 伊勢神宮は掘立柱建物の代表としても知られている。掘立柱は地中に直接柱となる材を埋め込んで立てる工法。柱が自立するという長所と根本が腐りやすいという短所を持つ。出雲大社はかつては掘立柱だったが江戸時代に礎石建となっている。
この形式は民家建築にも見られ、民家集落博物館に移築された旧秋山郷山田家住宅主屋、静岡の江川家住宅主屋に残る。
-出雲大社→大社造(反りあり切妻型妻入)
-住吉大社


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