西洋建築史

新古典主義

18世紀後半、啓蒙主義は従来の価値観の見直しと社会構造の再構築を要請し、フランス革命やアメリカの独立戦争をもたらした。

この啓蒙主義が建築の世界に及ぼした成果が新古典主義。 18世紀半ばのフランスでは、過剰なまでの装飾を特色とするバロックやロココに対する反動として新古典主義が現れた。

振れすぎた振り子は同じ勢いで反対側に戻ってくる。装飾を無くした後で残されるべき建築の持つべき本質とは何なのか。何であるべきなのか。突き詰められ、ルネサンス以前の古代建築に範を求めていく。

新古典主義以前においても、建築の理想像として古代建築は模範とされ続けてきた。

しかし、その理想像にはルネサンス以降、様々な理想像としての脚色がなされてしまっていた。そこで、新古典主義は、そうした後世の脚色を拭いさって生の古代建築に向き合うことを目指した。

この背景には、古代ギリシア・ローマの遺跡の発掘やギリシア建築の調査が、この頃、急速に進んだことが一つにはある。そうした調査によって、古代建築は文献上の伝承としてではなく、生の現実として目の前に立ち現れたのである。

  • マルク・アントワーヌ・ロージェ(1713-69)が「完全なる建築の実例」として賞賛した、ジャック・ジェルマン・スフロ(1713-80)によるサント・ジュヌヴィエーヴ聖堂


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Last-modified: 2009-11-15 (日) 20:10:10 (5268d)