**距離 metric
一般の集合Aに関して、直積空間A×A上で定義され、非負の実数の値をとる関数 d が以下の性質を満たすとき、 d を A 上の距離という。
\[d(x,y)=0 \Leftrightarrow x=y\]
\[d(x,y)=d(y,x)\]
\[d(x,y) \leq d(x,z)+d(z,y)\]
A上に距離 d が与えられているとき、(A,d) を距離空間(metric space)という。
~この距離空間という概念は ユークリッド(Euclid)空間の性質のうち、特に距離の性質を抽象化したもの。
***直積 product
複数の集合の各々から要素を取り出すとき、取り出された要素で組を作り、その組自体を要素とした新たな集合のこと。
AとBの直積集合は以下のように表される。
\[A \times B={(x,y)|x \in A,y \in B}\]
\[A \times B=\{(x,y)|x \in A,y \in B\}\]
A={0、1、2}、B={a, b, c, d}とすると、&br;
~A×B={(0, a), (0, b), (0, c), (0, d),&br;
      (1, a), (1, b), (1, c), (1, d),&br;
      (2, a), (2, b), (2, c), (2, d)}&br;
~ちなみに、(x,y) は順序対といい、x と y の順序を考えた組となっているので、A×B と B×Aは異なったものになる。
***直積空間距離 product metric space
2つの集合 X1、X2 上に各々距離 d1、d2が入っているとすると、直積集合
\[X=X_{1} \times X_{2}\]
上にも距離を定義することが出来る。これを直積空間距離(product metric space)という。

***同値な距離 equivalent
\[a,b \in \mathbf{R}\]
に対して、
\[a \land b = min\{a,b\}\]
とする。このとき、A上の2つの距離 d と ρ が、ある正の定数C1、C2に対して、
\[C_{1}\{\rho (x,y) \land 1\} \le d(x,y) \land 1 \le C_{2}\{\rho (x,y) \land 1\}\]
を常に満たすとき、距離 d と ρ は同値(equivalent)であるという。

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