北海道札幌市南区にある山.
1873[明治6]年の『札縨郡西部図』に「ヱカルシベ」と記載されている.「眺める・いつもする・処」を意味する「インカルㇱペ[inkar-ush-pe]」に由来するという[山田秀三『北海道の地名』].藻岩山からは豊平川対岸の平岸天神山チャシまで望むことができることが,この説を裏付ける.
但し,いつの頃からか円山を指していた「モイワ」という名前が「ヱカルシベ」にとって代わり,「ヱカルシベ」が「モイワ」と呼ばれるように」なった.1891[明治24]年には永田方正が『北海道蝦夷語地名解』において,藻岩山を「モイワ」というのは誤りであることを指摘している.その5年後の明治29年製版5万分1地形図では「モイワ」は「円山」となってしまっている.
斯くして,「ヱカルシベ」が「モイワ」に,つまり,藻岩山とされるに至った.
この「モイワ」の由来は知里真志保・山田秀三によれば「小さい・山」という意味の「モ・イワ[mo-iwa]」に求められるという.
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