鞆の小松寺平重盛の創設と伝わる寺院。 平重盛が京都の小松谷に居を構え小松宰相と呼ばれたことに由来していると考えられる。 1175(安元元)年に厳島神社への参詣の帰りに阿弥陀如来像を寄進したのが始まりという。 しかし、今では、「足利氏の創業は鞆の浦に始まり、その終わりも鞆の浦なり」という有名な言葉を代表する寺として知られる。 後醍醐天皇に叛旗を翻した足利尊氏は新田義貞や楠木正成に攻められ京都を離れ九州に落ち延びていく。 その途中、鞆の浦で三宝院の賢俊から光厳上皇の院宣を受け取り、九州の勢力を束ねて京都に錦の御旗とともに攻め上る。 その院宣を受け取る際に逗留していた場所こそが小松寺。 京都に入ると征夷大将軍に任ぜられ室町幕府を開くことになる。 従って、この小松寺こそが室町幕府の発祥の地と言えなくもないのだ。
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