日本建築史

密教建築

密教建築の特徴

  • 山上伽藍造営
  • 多宝塔:円形塔身の上に宝形造の屋根をかけ、相輪を立てた建造物である宝塔の塔身の周囲に庇を付けた建造物。 日本で最初の多宝塔は817年頃の伝教大師の東国教化の際に建立された縁野寺(上野)、大慈寺(下野)のものが知られている。
  • 礼堂の付加 礼堂は金堂あるいは灌頂堂の前面に建築された。 礼堂の存在する寺院。
    • 東寺灌頂堂
    • 神護寺金堂
    • 醍醐寺金堂
    • 勧修寺御願堂 後に、天台真言宗本堂では金堂と礼堂が一体化し密教本堂形式となった。 仏教建築で礼堂が発生した同じ時期に神社建築では拝殿が出現した。
    • 石山寺:最古の礼堂付加本堂。

神社建築の発展

仏教建築の影響を受け柱は礎石の上に据えられ、柱上に組物が用いられ、軒や屋根に反りが付くようになった。

春日造

切妻造・妻入の前に向拝を付けた春日大社が典型。 奈良時代には成立。

流造

切妻造・平入の前に向拝を付けた上下賀茂神社本殿が典型。 平安初期あるいは奈良時代末期には成立。

  • 宇治上神社本殿
  • 神谷神社本殿(1219)

八幡造

切妻造・平入を前後二棟(前殿・後殿)並べた宇佐八幡を典型とし奈良時代には成立。前殿・後殿の構成は仏教における密教本堂形式の先駆けである双堂との関係が伺える。 八幡造は近世の権現造の先駆的な形式でもある。

両流造

厳島神社本殿が典型。平安時代に起源。

日吉造

日吉神社本殿が典型。平安時代に起源。

入母屋造

御上神社本殿が典型。平安時代に起源。

拝殿の形式

縦長型

尾張、三河、備前、長門、土佐に多く分布し吹放しを特徴とする。

横長型

宇治上神社拝殿(鎌倉時代初期)を典型とし最も多い。 縦長型と異なり吹放しの他に四面に建具を入れた拝殿もある。

  • 割拝殿:横長型拝殿の中央を通路としたもの。
    • 石上神社摂社(1300)
    • 出雲健雄神社拝殿(旧内山永久寺)

正方形型

本来は舞殿であったと考えられ京都や近江に多い。



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Last-modified: 2010-02-20 (土) 00:25:27 (5178d)