上本郷城
千葉は松戸にあるお城です。上本郷字花台という、いわゆる舌状台地(tongue-shaped plateaus)にあります。
『千葉県史料』『千葉伝考記』『千葉大系図』によると千葉貞胤(1291-1351)によって築城されたと伝わります。千葉貞胤は千葉宗家第9代千葉胤宗と金沢流北条顕時の娘との間に生まれました。北条顕時は、1285(弘安8)年に内管領・平頼綱が安達泰盛を滅ぼした霜月騒動の余波で、安達泰盛の娘・千代野を正室としていた北条顕時は領地であった下総埴生庄で出家しています。金沢流北条氏は千葉氏と関係が深くなったのも下総埴生庄に所領を持っていたからだと言われています。
一方で、千葉貞胤は新田義貞とともに鎌倉を陥落させた功績によって、下総・遠江・伊賀守護に任じられました。下総・遠江・伊賀守護は金沢流北条氏の家職でしたので、その配下の千葉氏が引き継いだとも言えます。
戦国時代には高城氏の支配下に置かれたと言われています。なお、千葉胤貞の子の高胤の子の長男胤親が原氏、次男胤雅が肥前国高城を領して、原氏、高城氏となったといいます。原氏、高城氏ともに下総にも千田千葉家の千葉胤貞以来の所領を持ち、下総千葉氏の重臣となった一族です。
現在、城の跡地には千葉氏が帰依した時宗の本福寺、千葉氏の守護神の明治神社(妙見社)があります。
カンスケ井戸