WACC(加重資本コスト)
「資本コストというのは、企業における資金調達の平均的なコストと言うことが出来るね。
市場からの期待収益率とも言われる。つまり、企業は資本コストを上回る収益を上げることが期待されていることになる」
「資金調達には借入金や社債などの他人資本に関係するものと、株式に代表される自己資本に関係するものとがあるわね。
それぞれ、負債コストと株主資本コストと呼ばれる。これらを加重平均したものが資本コスト。加重平均しているから Weighted-Average Cost of Capital、略してWACCと呼ばれるのね」
「では具体的にWACCの計算の仕方を見ていくことにしよう。
有利子負債総額の期首期末平均(100万円)
(1)
2,000,000
有価証券報告書より
支払利息(100万円)
(2)
50,000
期末発行済株式総数
(3)
1,500,000,000
期末株価(円)
(4)
900
金利(%)
(5)
2.5
=(2)÷(1)
実効税率(%)
(6)
0.51
有価証券報告書より
株主資本の時価(100万円)
(7)
1,350,000
=(3)×(4)
非危険利子率(%)
(8)
1.610
10年物国債利回り
株式市場リスクプレミアム
(9)
6.4
β
(10)
1.2
CAPMにおけるβ
負債コスト(%)
(11)
1.225
=(5)×(1-(6))
株主資本コスト(%)
(12)
9.29
=(8)+(10)×(9)
WACC(%)
4.4751
=(11)×(1)÷((1)+(7))+(12)×(7)÷((1)+(7))
」