仮説検定

仮説検定は次のステップで行われます。
[1] 検定する仮説を設定。
[2] 検定で用いる統計量と検定する際の判定基準を決定。
[3] 標本から検定統計量を計算、判定基準に照らして仮説の採否決定。
この時に、こうなるだろうなという事前の予想を対立仮説。それに反する仮説を帰無仮説と言います。
仮説検定では帰無仮説が棄却されるかどうかということに焦点が当てられます。帰無仮説が棄却されれば、事前の予想である対立仮説が採択されるという次第です。

例えば、
> x<-c(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10)
というデータセットに対して、xの平均は3なんだという仮説を検討してみます。
この時の対立仮説はxの平均は3ではないというのが対立仮説で、xの平均は3なんだというのが帰無仮説ということになります。
実際にはxというデータセットの平均は5.5であって3ではありません。
さて、このxの平均は3なんだという帰無仮説は思惑通りに棄却されるのでしょうか?
まず、下準備としてライブラリを読み込んで使えるようにしておきます。
> library(ctest)
次に、いよいよxの平均が3かどうかを検証します。
> t.test(x,mu=3)
すると、次のような結果が出てきました。
One Sample t-test

data: x
t = 2.6112, df = 9, p-value = 0.02822
alternative hypothesis: true mean is not equal to 3
95 percent confidence interval:
3.334149 7.665851
sample estimates:
mean of x
5.5

1行目に注目して下さい。
t = 2.6112 とあります。自由度9の両側有意水準5%のt値は2.262ですので、このt値は両側有意水準5%のt値を上回ります。
つまり、xというデータセットの平均は3なんだという帰無仮説を棄却するということになります。