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気体の状態方程式

ボイル・シャルルの法則は一定質量の気体の圧力と体積の積と絶対温度の比率が一定であるということを示している。
一般に、この比率を$k$という比例定数とすると次の関係式が成り立つ。
\begin{displaymath}
\frac{PV}{T}=k
\end{displaymath} (3.5)

定義 (原子量)
質量数12の炭素原子(${}^{12}C$)1個の質量を12として、他の原子1個の相対的な質量を表現した数値。

定義 (1グラム原子)
原子量にグラムの単位を付けて表現した量。

定義 (アボガドロ数)
元素の原子1グラム原子の中には元素の原子が $6.02\times10^{23}$個含まれている。
この数値をアボガドロ数といい、$1mol$と表現する。
$1mol$の気体の占める体積は気体の種類に関係なく$22.4l$である。


$\textstyle =$ (3.6)
$\textstyle =$ (3.7)
$\textstyle =$ (3.8)

定義 (気体定数)
$1mol$の気体に関しての比例定数$k$$R$とすると、$0^{12}C$において$1atm$(標準状態)において、$1mol$の気体の占める体積は$22.4l$であることから、
\begin{displaymath}
R=\frac{PV}{T}=\frac{1 \times 22.4}{273}=0.0821
\end{displaymath} (3.9)

この値は気体の種類に関わりなく一定であり気体定数という。


$\displaystyle 0.082057 (atm \cdot l \cdot mol^{-1} \cdot k^{-1})$     (3.10)
$\displaystyle l=0.001(m^{3})$     (3.11)
$\displaystyle atm=1.013 (10^{5}Pa)$     (3.12)

であることより、SI単位系のもとでの気体定数は
\begin{displaymath}
R=8.31451 (m^{3} \cdot Pa \cdot mol^{-1} \cdot K^{-1})
\end{displaymath} (3.13)

となる。


表 3.1: 地表付近の大気組成
成分 分子量 容積(%) 重量(%)
窒素($N_{2}$) 28.02 78.09 75.53
酸素($O_{2}$) 32.00 20.95 23.14
アルゴン($Ar$) 39.94 0.93 1.28
二酸化炭素($CO_{2}$) 44.01 0.03 0.0456
オゾン($O_{3}$) 48.00 $2 \times 10^{-6}$ $3 \times 10^{-6}$
水蒸気($H_{2}O$) 18.02 不定 不定

空気は混合気体で、その組成は上記の表のようになっている。水蒸気を除いた分が乾燥空気で、主成分は近似的に窒素、酸素、アルゴンと考えらる。それぞれの容積率と分子量から乾燥空気の平均分子量$m$は、
(3.14)

従って、したがって乾燥空気の気体定数$R_{d}$
\begin{displaymath}
R_{d}=\frac{8314[J/K \cdot kmol]}{28.96}=287[J/(kg \cdot K)]
\end{displaymath} (3.15)

となる。


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平成23年9月4日
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