下がり藤

藤紋の代表的なものの一つ.花房が下がっているのは,藤が垂れ下がるという性質による.

中臣鎌足を祖とする藤原氏一門の代表的な家紋とされる.藤原四家のうちの北家が最も繁栄し,近衛・鷹司・九条・二条・一条の五摂家が朝廷の枢要を占めるに至る.

主流である五摂家が全て下がり藤の家紋を用いたかというとそうではない.近衛と鷹司の二家は牡丹を家紋としている.藤原氏の中では,醍醐・正親町・裏辻・富小路の各家が藤を家紋とした.

また,武門藤原氏の中では,藤原北家魚名流の鎮守府将軍・藤原秀郷[平安中期;958-991]を祖とする秀郷流の内藤・佐藤・武藤・武藤・近藤・尾藤が,同じく藤原北家魚名流の鎮守府将軍・藤原利仁[平安前期]を祖とする利仁流の新藤・斎藤・加藤の諸家が藤を家紋としている.

Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.