詐害行為取消権

詐害行為取消権は、「総債権者の共同担保の保全を目的とする制度であるが、特定物引渡請求権(以下特定物債権と略称する)といえどもその目的物を債務者が処分することにより無視力となった場合には、該特定物債権者は右処分行為を詐害行為として取り消すことができるものと解するを相当とする。けだし、かかる債権も、窮極において損害賠償債権に変じうるのであるから、債務者の一般財産により担保されなければならないことは、金銭債務と同様だからである。」[最判昭36.7.19]

債務者の悪意[詐害意思]、転得者の悪意[詐害意思]の立証責任は、詐害行為請求をする債権者にある。
一方、受益者の悪意[詐害意思]の立証責任は受益者にある。

「共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となり得る。」[最判平11.6.11]

相続放棄は既得財産の増加を消極的に妨げる行為にすぎず、かつ、このような身分行為については他人の意思によって強制すべきではないため、詐害行為取消権の対象とならない。[最判昭49.9.20]

詐害行為取消債権者は債権者が複数存在するときであっても、自己が配当により弁済を受けるべき割合額のみならず、取消債権者の債権の全額について取り消すことができる[大判昭8.2.3]。


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