[予備と中止犯]

実行 ⇒ 中止 → 免除の可能性あり━┓
                                      ┣━━→ 均衡に失する
予備 ⇒ 中止 → 2年の懲役   ━━━┛      ┃
                                                    ┃
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              ┏━━━━━━━━━責任減少+政策説
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           中止犯の規定の準用

予備行為に着手した後で、実行行為に着手することを自らの意思でやめたという場合に、中止犯の効果は及ぼされるのでしょうか。
 この問題について、判例は準備行為が行われれば予備罪は完成してしまうという理由から、予備については中止という概念を考える余地がないとして中止犯の規定の準用を否定しています。
 しかし、実行してから後に中止すると刑が免除のされる可能性ががあるものの、予備に留まる場合には免除の可能性がないということは均衡を失するというべきでしょう。
 そもそも、中止未遂に罪の必要的減免が認められる根拠は、自らの意思で中止した場合には、中止者の責任が減少することと、中止者ヘの「報償」敷ぴ一般人に対する一般予防効果の意図という政策的考慮があるからです。
 そうであるならば、予備の段階で中止をした場合においても、中止者の責任減少は認められることに加えて、政策的にも予備の段階でも「後戻りのための架け橋」を架けておく価値があると言えます。
 従って、予備の場合にも中止犯の規定の準用を認めることが合理的でしょう。